なんでもないときには、まるで無いかのように意識せずにいる「腰」ですが、一度痛めるとツラいものです。
ところが病院に行って、レントゲンやMRIなどを受けても、「異常なし」と言われた…という経験はありませんか?
実は、腰痛のうち、椎間板ヘルニアなどの原因が特定できるのは、全体の2割以下に過ぎないのです。
では残りの原因は何か…と言えば、
・ストレスなど心因性のもの・内臓疾患によるものがあり、様々な原因が複合している場合も少なくありません。
腰痛を引き起こす内臓疾患の中には、早く対処しないと命に関わる疾患もありますので、注意が必要です!
以下、腰痛の原因となる内臓疾患についてまとめました。
便秘の症状が進むと、腸の中に溜まった便とガスとで腸が膨張し、腰を圧迫することで痛みを感じることがあります。
便秘を放置すると、腸閉塞や大腸がん、腸ヘルニアなどの腸の病気に進行することもありますので、なるべく早く解消することをおすすめします。
腰痛の他に、みぞおち付近に痛みがあると、胃潰瘍が疑われます。
また、お腹のすき具合によって痛みに変化がある(空腹だと痛くなり、食べるとおさまるなど)場合は、十二指腸潰瘍かもしれません。
いずれも暴飲暴食やストレスなどが原因で起こる病気です。
右脇腹から背中にかけて痛みがあれば、膵炎かもしれません。アルコールやカフェインなどを多量に摂取しつづけると、膵液が過剰に分泌され、膵臓自身を溶かしてしまうのです。
急性膵炎は最悪の場合死に至るケースもありますので、要注意です。
腰痛の他、右脇腹から背中にかけて痛く、身体がだるいといった症状は、肝炎にみられる特徴です。膵炎同様、アルコールやカフェインの過剰摂取によって起こります。肝炎を放置すると、脂肪肝・肝臓がん・肝硬変などに進行することもありますので、必ず内科を受診しましょう。
発熱や、トイレが近いといった膀胱炎に似た症状があれば、腎盂腎炎かもしれません。他に発熱や食欲不振、吐き気などもあります。最初は症状が軽くても、進行すると重篤な症状にもつながりかねませんので、正しい処置が必要です。
片方だけに症状があり、ぴりぴりとひきつれるような皮膚の痛みを感じる場合は、帯状疱疹による神経痛が考えられます。他に、赤い発疹も出ることが多いです。
女性の場合、子宮の疾患も考えられます。
子宮筋腫は良性の腫瘍で、それ自体怖いものではありませんが、大きくなると周りの内臓を圧迫し、腰痛を引き起こすことがあります。
また、子宮内膜症や子宮がんなども、下腹部全体の重い痛みに加え、腰痛の症状が出ることがあります。
腰痛の原因が内蔵疾患に由来するものである割合は1~2%と言われており、
そう多い数字とは言えないのですが、気づかずに放置すると、
進行して命を落とす結果となる怖い病気の可能性があるため
出来るだけ早く原因を特定する必要があります。
じっと動かずにいても痛い、あるいは、空腹かどうかによって痛みに変化がある、
といった症状に心当たりがあれば、内臓疾患を疑ってみた方がいいかもしれません。
湿布を貼って終わりにせず、出来るだけ早めに、内科を受診してください。
腰痛はツラいものですが、慣れてくるとつい、「こんなものだ」と思ってしまいがちな症状でもあります。
不快な症状は出来るだけ取り除いて、快適な生活を送ってくださいね!
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